中央学院大学に対する小林勝さんの裁判闘争を支援する会
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●支援する会・第4回総会を開催

 8月31日、当会は第4回総会を都内で開催した。2016年11月1日に提訴したこの裁判闘争は、既報のとおり昨年の東京地裁判決、本年6月の東京高裁判決でいずれも損害賠償請求を棄却されている。原告はこれを不服として最高裁に上告し、8月28日には上告理由書等を提出した。

 総会第1部では昨年来の14ヶ月にわたる闘いの経過を報告。今後の行動提起とあわせ、全会一致で承認された。

 第2部では加藤晋介弁護士から「逆転勝訴は可能。上告審闘争に全力を尽くそう」との講演を受けた。加藤氏はまず、今日の司法の反動化・劣化の現状とその原因を指摘。次いで一審や控訴審判決の不当性を次のとおり指弾した。すなわち@小林氏と専任教員との労働条件の相違を形式的契約内容や就業規則上の相違に求め、両者の実際の労働内容の比較検討を行っていないこと。A小林氏が、自分の専門でもない、相互に関連性の薄い4科目にも及ぶ専門科目を、しかも専任教員以上の授業コマ数を、彼らの五分の一の報酬で担当したのも、「自由意志」による「合意」に基づくものだとして、格差を正当化しているが、憲法の精神にさえ抵触するような「合意」の容認は許されないこと。Bそもそも労働契約法20条は、「自由意志」による「合意」に基づく有期雇用労働者の労働条件が、正規労働者と比べてあまりにも低いことを是正するために作られたというのに、小林裁判の控訴審判決は「自由意志」論で労働条件の格差を正当化しており、労働契約法20条の趣旨を全く理解していないこと。Cハマキョウレックス事件の最高裁判決は、「自由意志」に基づいて契約した非正規労働者の労働条件を「不合理だと指摘したのだが、「自由意志」論を振り回す小林裁判の控訴審判決は、この判例に反するものでもあること等々、弁舌鋭く訴えた。そして、「大学当局が嫌がるような、顔も見たくないと言われるような闘い方を考えよう!」と喝を入れられた。

 その後、郵政20条裁判を闘う仲間、各専労協とJAL争議団、千葉スクラムユニオンから力強い連帯挨拶を受けた。

 今一度思い起こそう。@学部長等の有力な教授が複数人、小林氏に専任化の約束を、それも長期にわたってしていたことは、裁判所も事実認定せざるを得なかったたこと。Aそして、この訴訟が損害賠償請求訴訟であるというのに、「この事案は小林氏の専任化によって解決する」として、中央学院大学を説得し続けたのは、そもそも裁判所であったこと。Bそれを受けて、原告が飲めない卑劣な条件付きではあったにせよ、和解協議の場で「解決金 と形式的専任化を中央学院大学は提示せざるを得なかったこと。Cそして提訴前に、佐藤英明学長(当時)以外の大学側の常務理事も、小林専任化を道義上必要と考え、学長の説得を試みたが失敗したこと。これらの事実は、大学側の後ろめたさを証明するものであるのに、2度の判決は見て見ぬふりをしてスルーしてしまったのだ。

 今秋以降、郵政やメトロコマースの上告審、日本通運雇止め東京地裁裁判などが目白押しに開催される。これらの争議団と固く連帯を誓い合い、闘い抜こう!





●『小林勝20条闘争を支援する会』第3回総会を開催

 6月21日、都内において標記総会が開催され、およそ40名が結集した。

 中央学院大学(千葉県我孫子市)に30年近くにわたって非常勤講師として働いている小林勝さんは、専任教員との本俸その他の待遇差が労働契約法20条に違反するとして2016年11月から東京地裁に提訴してきた。この裁判は大学に勤務する数万人にのぼる非常勤講師の待遇改善を視野にいれた初めての裁判闘争だ。

 東京地裁の裁判長(途中で江原健志に交代)は、この裁判は小林勝の専任教員化によって和解解決されるべきとして、大学側に英断を求め続けてきたが、大学は2年余にわたって和解を拒否。そのあげく、本年1月に至り「1年間のみ正教授であったこととし、1年分の待遇差額を支払う代わりに、小林は本年3月をもって非常勤講師としても退職すること」等という、小林にとって屈辱的な、かつ小林を委員長とする労働組合を中央学院大学から一掃することを目指す「和解案」なるものを提示。原告はこれを拒否し、5月30日に判決となった。判決は原告の請求をすべて棄却するという不当なものであった。

 本総会では加藤晋介主任弁護士から、「本判決は被告大学側の形式論的主張を丸のみするもの」。また立場の弱い小林に対する大学側要人による虚偽の利益誘導発言(判決はこの点は認定)に翻弄されてきた小林勝の勤務実態、すなわち専任教員以上の授業コマ数を引受け担当してきた経緯を「自らが合意したからにすぎず」とするなど、実態論から逃げていること、などその不当性を明らかにした。

 総会ではまた、日本通運の無期転換逃れに対する闘いの報告などの連帯挨拶を受け、最後に小林勝は「非常勤講師組合は首切り雇止め反対の闘いに翻弄され、待遇改善の闘いにまで中々進めない」現状を紹介しつつ「非常勤講師が労契法20条違反の下に放置されていることの不当性を糺し続ける」と決意表明。東京高裁への控訴を確認し、更なる闘いの継続と拡大を誓い合った。

 なお本裁判の判決当日のもようは「レイバーネット日本」で、また判決に対するニュース速報版は会のHPで閲覧可能だ。





●我孫子駅北口宣伝行動

 2月1日、8時より我孫子駅北口において、中央学院大学非常勤講師小林勝さんの20条裁判闘争を支援する会で、駅頭宣伝とチラシ配布を行いました!

 「大学の講師のうち実に6割が非常勤講師で、年収200万円、専任教員の6分の1の苦しい実態!」「裁判所から大学へ、小林勝さんを専任教員にして解決を図ったら!?と促されても、大学側はこれを拒否するという、不遜な態度で許せない!早急に専任教員化すべき」等のアピールに「こんなに酷いとは!?」と話す若者や「頑張って!」と励ましてくれるご婦人もいて、用意した500枚のチラシが1時間足らずでなくなりました。

 次回は13日14時、我孫子駅北口で宣伝行動を行い、その後、当該組合と中央学院大学側との団体交渉を行います!この行動への参加をお願いします!!


支援する会事務局長 小林春彦





●中央学院大学9.24オープンキャンパス宣伝行動

 中央学院大学は、9月24日(日)オープンキャンパスが実施されました。

 当日は、11時30分から、街頭宣伝と共にJR我孫子駅前、中央学院大学玄関口の2箇所で、「市民の皆さん、高校生の皆さん!中央学院大学の実態を知っていますか!」のタイトルで作成したチラシを配布しました。




  「大学での非正規雇用の実態を社会に明らかにし、不当な差別を是正」することを市民と高校生の皆さんに訴えました。






中央学院大学に対する小林勝さんの裁判闘争を支援する会



中央学院大学9.24宣伝行動【裁判チラシ】
>>チラシをクリック<<

「小林勝20条闘争を支援する会」参加のお願い

 いま、全国の小・中・高等学校や大学そして予備校や塾では、大量の非常勤講師が働いています。生徒・学生から見れば、専任教員と何も変わらない「同じ」先生に見えるのですが、非常勤講師と専任教員の賃金その他の労働条件には雲泥の差があり、とても「同じ」先生とは言えません。
 専業非常勤講師は、国民年金や国民健康保険に自分で加盟して、その掛け金を、少ない給与から全額自分で払い込んでいるのです。日本の高等教育の約半分を担う大学非常勤講師の劣悪な待遇が、このまま放置されてよいわけがありません。
 同一の大学で専任並みのコマ数を担当している小林さんの「均衡待遇・均等待遇」を求める闘いに勝利することは、多くのコマ数を複数の大学で担当することを余儀なくされている全国の多くの専業非常勤講師の待遇の「不合理」や全国の大学の雇用責任を浮き彫りにすることになり、専業非常勤講師の待遇改善の闘いを強力に後押しすることになるもの、と確信しています。 多くの皆さまの「支援する会」への参加をお願いいたします。



中央学院大学に対する小林勝さんの裁判闘争を支援する会
 【略称=小林勝20条裁判を支援する会】


共同代表
  金子勝(立正大学名誉教授、憲法学)   嶋崎英治(三鷹市議)
  舘幸嗣(中央学院大学、民法)      森博行(弁護士)

弁護士
  加藤晋介、指宿昭一、内村涼子、河村健夫
  河村洋、早田賢史、山田大輔、吉田伸広

支援する会 事務局長
  小林春彦

賛同金
  ■個人 年間 一口 1,000円
  ■団体 年間 一口 3,000円
[郵便振込口座] 00140−4−603288 [加入者名] 小林勝さんを支援する会
*ニュース等をお送りしますので、メールアドレス、携帯電話の記載をお願いします。

お問い合わせ
  住所:東京都千代田区岩本町2-17-4 NS20 ビル1 階 労働運動センター内
  TEL 070 − 6576 − 2071  FAX  03-5820-2080
  メール: 20kobayashi20@gmail.com

結成集会の開催

 千葉県我孫子市にある中央学院大学に24 年間にわたり非常勤講師として働く小林勝氏は、昨年11 月に、労働契約法20 条(有期雇用と正規雇用との均衡待遇を定める)違反等を理由に、学院を東京地裁に提訴しました。この小林勝さんの裁判闘争を支援する会が発足し、4 月26 日に結成集会を開催

 4月26 日、18時30 分から東京都内で、「中央学院大学に対する小林勝さんの裁判勝利を支援する会」の結成集会が開催された。当日は、労働契約法第20 条で闘う労働組合(全労協・郵政ユニオン・全日建連帯・メトロコマース・各専労協・JAL争議団・お互いさま)が連帯と支援に駆けつけ55 人の結集があった。 集会は、津和代表代行の主催者あいさつ、結成に至る経過は、スライドと小林事務局長からの報告が行われ、闘いはこれからということが確認された。

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 記念講演は、裁判で8人の最強弁護団を率いる加藤晋介弁護士から「小林勝さん労 20条裁判闘争の意義と課題」と題して約30 分の講演があった。小林勝さんは、中央学院大学に年を越え非常勤講師として勤務をしてきた。 そのうちの大半を専任教員の義務的コマ数である5コマを越えて、週に6〜8コマを担当してきた。一大学で、このように多数のコマを長期間にわたって持たされることは例外的であり、小林勝さんは不当に差別され続けていた。

 週3日の出校で、月額給与は16 万円、年収は190万円、大卒の初任給にも及ばない。 今、全国の小・中・高等学校大学、そして予備校や塾で、大量の非常勤講師が働 いている。生徒・学生から見れば、専任講師と何も変わらない。「同じ」先生に見えるが、非常勤と常勤では、賃金その他の労働条件で雲泥の差がある。

 大学の専業非常勤講師の待遇は、劣悪で複数の大学の講義を掛け持ちで、何とかやりくりしているのが実態にある。 労契法20条裁判は、「社会に容認されている」を盾に「不当判決」が出ている。小林20 条裁判闘争は、こうした裁判所の誤りを正し、労働契約法20 条を社会に正しく定着させ、社会的差別をなくす闘いである。 「支援する会」は、会員拡大と闘いの強化で勝利しようと確認して閉会した。


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